━― mail magazine from MIDAC ―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   ☆  みだコロジー2010            ☆   ☆                           ☆   ☆     〜みんなの環で地球をキレイに〜    ☆                         _____/ ━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━    ◆◇ 廃掃法改正 〜排出事業者責任A〜 ◆◇                        【2010年9月9日発行】    読者の皆さん、こんにちは!    9月になりましたが、まだまだ残暑の厳しい日が続きますね。    そんな中当社では、9月23日に毎年恒例のミダック祭@浜松を    開催します。私は今回初参加ですが、暑さに負けず楽しみたいです!    さて7月号、8月号で既にお話したように、廃棄物の不適正な処理が    まだまだ行われている現状を改善するため、今年の5月に廃掃法の    改正が参議院で可決され交付されました(来年度より実施予定)。    その法改正の『排出事業者責任』に関する内容の中で    8月号では「自ら処理」について紹介してきました。    今回のメルマガでは【廃掃法改正 〜排出事業者責任A〜】    と題して、今回の法改正において排出事業者が廃棄物を処理業者に    「委託して処理」する場合に関わる内容を紹介したいと思います。    ※ 本メールは送信専用のアドレスとなっております。       ご意見、ご感想などは melmag@midac.jp にお送りください。 ===================================    <CONTENTS>    【T.委託処理について】    【U.委託処理に関する法改正の内容】    【V.委託処理に関する影響】    【W.こぼれ話 〜中央環境審議会での議論〜】    【X.まとめ】 ===================================    【T.委託処理について】    まず廃棄物の「委託処理」について説明します。        廃棄物を適正に処理するにあたって、排出事業者は「自ら処理」(※)    を行うのが基本ですが、それが難しい場合には許可を持っている    処理業者へ委託する「委託処理」をしなければなりません。    (※)自ら処理に関しては、収集運搬と処分を自社で行う場合や      収集運搬を自社で行い処分は委託する等、様々な場合が      考えられます。そのうち自社の処理施設で自ら処分する場合は      8月号でも詳しく触れておりませんでしたので10月号にて      説明します。          自ら処理においては法律で定められている保管基準、収集運搬基準、    処分基準の3つを守って処理をするということに対して、    委託処理では【1】委託基準を守ること、【2】マニフェストを    正しく使用することの2点をまず遵守していかなくてはなりません。    委託処理の改正前の内容としては次の通りです。    【1】委託基準を守ることとは     a)排出事業者は、行政からの業の許可を受けている処理業者に       委託すること且つ、その許可の内容として委託する廃棄物の       処理が行えること     b)委託契約は書面で行うこと    【2】マニフェストを正しく使用することとは     a)マニフェストは廃棄物を処理業者に引き渡すときに、       その廃棄物の種類ごと、行き先ごとに交付すること     b)排出事業者はB2票、D票、E票をそれぞれ5年間保存すること     c)排出事業者は処理業者から返却されるマニフェストで、       廃棄物が適正に処理されているか確認すること     d)マニフェストが決められた期日内に返却されない場合には、       委託した廃棄物の状況を把握し、適切な措置を講ずるとともに、       都道府県知事等に報告すること    これら2つは委託処理を行っていくうえで必ず守らなくては    ならないことであり、簡単に言い換えれば、「業の許可を持つ    処理業者と委託契約書を交わし、委託の度にマニフェストを正しく    使用する」ということです。        それでは次に法改正された内容について触れていきたいと思います。          ***********************************    【U.委託処理に関する法改正の内容】    委託処理に関する改正の内容を要約すると以下の通りです。    @ 第十二条 第七項 及び 第十二条の二 第七項     事業者は、産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を含む)の運搬又は     処分を委託する場合には、当該産業廃棄物の処理の状況に関する     確認を行うよう努めなければならないこととすること    A 第十二条の三 第二項     産業廃棄物管理票を交付した者は、当該管理票の写しを     交付した日から環境省令で定める期間保存しなければならない     こととすること    B 第十四条 第十三項及び第十四項 及び      第十四条の四 第十三項及び第十四項     産業廃棄物処理業者(特別管理産業廃棄物を含む)は、産業廃棄物の     処理を適正に行うことが困難となり、又は困難となる事由が     生じたときは、当該処理を委託した者に通知するとともに、     当該通知の写しを保存しなければならないこととすること    C 第十二条の三 第八項     Bの通知を受けた者は、速やかに処理の状況を把握するとともに、     適切な措置を講じなければならないこととすること    D 第二十一条の三 第一項〜第四項     建設工事に伴い生ずる廃棄物の処理については、      ・当該建設工事を請け負った元請業者を事業者とすること      ・下請負人が行う保管に関しては、当該下請負人もまた事業者と       すること      ・環境省令で定める廃棄物に限り、請負契約で定めるところに       より下請負人が自らその運搬を行う場合、当該下請負人を       事業者とすること      ・下請負人が運搬又は処分を他人に委託する場合、当該下請負人を       事業者とすること    参考資料:環境省「廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を             改正する法律要綱」    次章では委託処理に関する影響を紹介していきます。 ***********************************    【V.委託処理に関する影響】    U章の法改正の内容をまとめた上で排出事業者の皆さまには下記に    示した点が求められます。    ●U章@、Aに対応     産業廃棄物の処理を委託した場合、今までは処理が適正に行われて     いるかの確認はマニフェストにより行われてきました。しかし     これからは排出事業者による中間処理業者、又は最終処分業者への     実地確認を行わなければならなくなることが予想されます。     また今までは保存の義務がなかったマニフェストA票に関しても     交付した日から5年間保存しなければならなくなりました。    ●U章B、Cに対応     廃棄物の処理に関して異常が発生し処理業者からの通知がきた場合、     適切な措置をするとともに、通知の写しを保存しなければなりません。     適切な措置として再委託が挙げられますが、緊急時以外は原則禁止で     さらに再委託基準を守らなければなりません。     再委託基準に関しては下記のHPを参考にしてみてください。     財団法人日本環境衛生センター     産業廃棄物・特別管理産業廃棄物の再委託基準     http://www.jesc.or.jp/work/training/waste/course/res/     saiitaku.pdf         ●U章Dに対応     建設工事で発生した廃棄物に関しては原則として元請業者に     排出事業者責任が適用されます。しかし下記の場合には     下請業者に排出事業者責任が適用されます。      ・下請業者が保管をする場合      ・「環境省令で定める廃棄物」に限りますが、請負契約の中で       下請業者が自ら廃棄物の運搬をする場合      ・下請業者が運搬又は処分を委託する場合          ここで環境省令で定める廃棄物とは、下記のいずれにも     該当するものです。ただし下記の事項は現在案として出されている     ものであるため、今後変更される可能性があります。      1) 請負代金が500万円以下である建設工事に伴い生ずる        廃棄物である      2) 特別管理産業廃棄物以外の廃棄物である      3) 1回に運搬する廃棄物の容積が1m3以下の廃棄物である      4) 運搬の途中で積み替えのための保管を行わないものである      5) 運搬先が元請業者の指定する保管場所又は処理施設であり、        当該廃棄物が排出される事業場と同一の都道府県にあること      6) 下請負人が運搬する廃棄物について、当該廃棄物の種類        及び量等を具体的に記載した書類を作成し、当該書類及び        請負契約の写しを携行するものである     U章Dに関して今まで下請業者に必要とされてきた     収集運搬業の許可が不要になります。しかし1)〜6)に示したように     メリットを受ける業者は限定されると考えられます。    これらの施策により不法投棄等の不適正処理が減少すると    考えられますが、その一方で排出事業者には廃棄物処理に関する    業務時間の増大が懸念されます。    また現在、実地確認を義務化している行政として静岡県、愛知県が    一例として挙げられます。静岡県に関してはチェックシート例も    出されていますので【下記URL参照】、実地確認を行う際の    チェックすべきポイントを参考にしてみてはいかがでしょうか。    なお当社ミダックでは月に一度、施設見学会を行っています。    様々な廃棄物の処理の過程をご覧いただけますので、    実地確認にはいつでもお越しください。     また私たち処理業者としましても、交付されたマニフェストを    しっかりと管理、保存することで、排出事業者の適正処理に対する    手助けができると考えています。    静岡県廃棄物リサイクル課産業廃棄物関係    産業廃棄物処理の委託先の実地確認におけるチェックシート例    https://www2.pref.shizuoka.jp/all/file_download103500.nsf/    A991423B5A250ADE49257361002505F9/$FILE/    ExampleofChecklistforSite-visits.pdf    条例説明会配布資料 (実地確認については5ページ目)    http://www.pref.shizuoka.jp/kankyou/ka-040/documents/siryou1.pdf    愛知県環境部    廃棄物の適正な処理の促進に関する条例のあらまし    http://www.pref.aichi.jp/kankyo/sigen-ka/hourei/jyorei-2/    jigyou/jigyou1.html     ***********************************    【W.こぼれ話 〜中央環境審議会での議論〜】    最後にW章では今回の法改正には盛り込まれませんでしたが、    中央環境審議会での議論についても見ていきたいと思います。    今回審議会で話し合われた中には電子マニフェストの普及促進    というものがありました。電子マニフェストとは排出事業者、    収集運搬業者及び処理業者の三者が通信ネットワークを用いて、    排出事業者が委託した産業廃棄物の流れを最終処分まで確認できる    仕組みです。    これにより電子上でデータの保存・管理ができるため、保管スペースが    不要で、管理コストが軽減されます。また情報の電子化により、集計、    データの検索がしやすくなります。    しかし導入への障害として、三者の通信ネットワーク環境が    整っていないと利用できないことや、紙マニフェストを継続して    使用している企業が未だ多いため事務効率化にならないといった    ことがあり、義務化とまではいかなかったようです。    この電子マニフェストについては国や情報処理センターに    利便性の向上を目指してシステムの改善等を継続的に行っていって    もらいたいですね。 ***********************************    【X.まとめ】    今回のメルマガでは適正処理の確保ということで、委託処理に焦点を    合わせて紹介してきました。    法律が改正されることで実務的な負担が増加していくと思われます。    委託をしても排出事業者責任が原則なため、委託処理における    注意点を今一度確認して、「自らが排出した廃棄物を適正に処理する」    という廃掃法の基本を大切にしていただきたいと思います。       私たちも多くの排出事業者の皆さまに委託していただける    処理業者を目指していきたいと考えています。 ***********************************    ■□編集後記■□    今回のみだコロジーはいかがでしたか?        日常業務として廃棄物を処理をしていく一方で廃掃法が改正され、    新しく覚えることが多々あり大変でしたが、これを良い機会として    捉え知識を増やすことができました。    今後も廃掃法の改正について紹介していきますが、それ以外の    有益な情報もたくさん提供していけるよう、様々なことを    学んでいきたいと思います。      次回は10月14日発行予定、     みだコロジー「廃掃法改正 〜排出事業者責任B〜」    についてです。           ♪♪ お楽しみに ♪♪ .:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:**:.。.:*   ◆このメールマガジンの解除・配信先変更は、こちらまでお願いします。    ご意見、ご質問もお待ちしております!    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