━― mail magazine from MIDAC ―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   ☆  みだコロジー2008            ☆   ☆                           ☆   ☆     〜みんなの環で地球をキレイに〜    ☆                         _____/ ━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━    ◆◇ 9月号 ごみ発電 ◆◇                         【2008年9月11日発行分】    読者の皆さん、こんにちは!!    最近はめっきり涼しくなって、ほんの少し前の猛暑が懐かしく思えます。    それにしても北京五輪の水泳は良かったですね〜。    日本の選手の活躍を見て、私も泳ぎたくなったのですがもう川や海では    泳げませんね。という訳でいざ温水プールへ!!    ・・・そういえば、温水プールの「温水」ってごみを燃やした時に発生    する熱を利用してつくられる施設もあるそうです。    温水だけではなく、電力を生み出す=発電を行っている場合もあります。    近年、こうしたごみを燃やした時に発生する熱を有効活用することに注    目が集まっています。不要であるはずの“ごみ”が、エネルギーを生み    出す“資源”となるのですから当然ですよね。    今回は、そんな夢のようなエネルギー利用法「ごみ発電」について調べ    てみました。 ===================================    <CONTENTS>    【T.ごみ発電って?】    【U.現状と課題】    【V.スーパーごみ発電】    【W.まとめ】 ===================================   【T.ごみ発電って?】 ごみ発電とは、ごみを燃やした時の熱で蒸気を発生させ、その蒸気で    タービンを回し発電するというものです。ごみを燃やすと同時に発生    する熱を有効利用するサーマルリサイクルの一形態と言えます。    ここ数年、地球環境への関心の高まりから、エネルギーの有効活用が    注目されるようになりました。その中の一つにごみ焼却施設における    発電があります。    この利点は、火力発電の負担の低減を通じて、貴重な化石エネルギー    資源の使用量削減、CO2排出量削減対策の有効手段となることです。    それでは、次の段落でごみ発電の現状と課題について見てみましょう。 ***********************************    【U.現状と課題】    まず、1997年に、2010年度までに全国のごみ発電の出力規模を417万kWと    する目標が設定され、発電量の増加に向けた取り組みがなされています。    この目標値は原子力発電2〜4基分に相当するものです。    (1基の出力=約100万kW換算)    2000年度時点でのごみ発電の出力規模は、一般廃棄物で98万kW、産業    廃棄物で13万kWの合計110万kW(経済産業省調べ)であり、電力会社の    出力規模に対して0.5%にすぎません。    2005年度末時点では、全国のごみ焼却施設1319施設のうち、ごみ発電を    行っている施設はそのうちの約20%、286施設となり、出力規模は合計    で151万kWに増えています。    2000年と比較すると、出力規模は約37%増加しました。    従って、ごみ発電は徐々に普及してきていると言えますが、解決すべき    課題も数多く存在します。    ・発電効率が低い(電力会社の発電に比較すると10〜15%程度)    ・熱回収、発電のための高額な設備投資    ・維持管理費の増大    以上のことにより、普及が進むためには、必要コストの問題もさること    ながら、システムの発電効率を上げていかなければなりません。    そこで、あるシステムの開発が注目されています。    それが「スーパーごみ発電」です。 ***********************************    【V.スーパーごみ発電】    従来のごみ発電では発電効率を上昇させるのに、ある問題がありました。 ごみ発電はT章でもふれたように、ごみを燃やした時の排ガス中に含ま    れる燃焼エネルギーを利用して、蒸気を生み出しその蒸気でタービンを    回し発電します。    よって、ごみ燃焼時に出る排ガスの温度が高ければ高いほど蒸気に蓄え    られる熱エネルギーが多くなり発電効率は上昇します。しかし、排ガス    中に塩素などが含まれているため、高温にすると設備が腐食して穴が開    くなどの不具合が生じ、効率的な発電ができない等の問題が発生します。    そこで、排ガスを利用して発生させた蒸気をさらに加熱すれば発電効率    を上げられるのではないかという発想から、従来の発電システムに加え    て、天然ガスによるもう一つの発電システムを組み合わせたスーパーご    み発電が開発されました。    もう一つの発電システムを設ける利点は、ごみ発電とは別に、天然ガス    によって発電を行いつつ、ごみ焼却時に発生した蒸気の再加熱に利用で    きる事です。    また、この複合的なシステムでは設備の腐食を防ぎながら、従来のごみ    発電では10〜15%であった発電効率を25〜30%に高めることもできます。     それでは、実際に稼動している焼却量810トン/日の施設の例で見てみま    しょう。    この場合、従来のごみ発電では20,400kWの出力です。    スーパーごみ発電では8,000kWのもう一つの発電システムを組み合わせま    す。さらに、その廃熱を利用して発電出力を増加させます。    そうすると、それぞれ単独の場合よりも7,900kWの発電出力が増加し、    合計36,300kWの発電が可能となります。    しかし、非常に大規模かつ整った設備が必要であるとともに、発電コス    ト削減のために国や自治体の助成金や補助金等の支援なども欠かせません。    実用化に至っているシステムではありますが、今後より普及させていくた    めに環境を整備していくことが重要であると言えます。 ***********************************    【W.まとめ】    ここまで様々なことを述べてきましたが、まだまだごみ発電は発展途上    で、課題も山積しています。    それでも、企業の社会的責任として、地球温暖化対策を含む環境への配慮    が必要であると考えられます。    そのような中、ごみ発電のような新しいエネルギーの活用は、積極的な導    入促進、あるいは利用促進が望まれます。    少しでも地球環境への負担を軽減できるよう、エネルギーの有効活用をし    ていきたいものですね。 ***********************************    ■□編集後記■□    今回のみだコロジーはいかがだったでしょうか?    ごみがこんなにも有効利用できるなんて驚きですよね。    つまり、これからは処理方法によっては、ごみも貴重な資源ってことに    なるのですね。    ところで、今では公共の焼却施設の周りには様々な施設が併設されてる    のをご存知ですか?    サーマルリサイクルを利用した温水プールや温浴施設、環境学習施設や    スポーツ施設などが併設されています。    そういった施設に立ち寄った際に、ごみ発電のことを勉強してみるのも    よいかもしれませんね。    次回は9月25日発行予定、プチ☆みだコロジーは「デポジット制度につい    て」です。 .:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:**:.。.:* ―━― mail magazine from MIDAC ―━―━―━―━―━―━―━―━―━―  ┏━━━━━━━━━━━━━○     プチ☆みだコロジー  ☆━━━━━━━━━━━━━┛ ━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━    ◆◇ デポジット制度について ◆◇    【2008年9月25日発行分】    読者の皆様、こんにちは!!    いつの間にか季節も夏から秋へと移り、    随分過ごしやすい毎日となりましたね。    秋と言えば、「食欲の秋、読書の秋」と様々ありますが、私は今秋、    「スポーツの秋」と題して運動不足を解消したいと思っています。    (三日坊主にならないように…)    ところでみなさん、「デポジット制度」ってご存知ですか?    「○○制度」と聞くとなんだか難しいものかなと    考えてしまいがちですが…    皆さんも一度はこんな経験があるかと思います。    駄菓子屋さんへ行き、瓶のジュースをその場で飲み終え返却すると、    10円くらいのお金を瓶代金として返してもらった経験。    私も小さい頃、同じ経験がありますが    実は、このシステムこそが「デポジット制度」だったのです!    という訳で、今回のプチみだコロジーではそんな身近でエコな    デポジット制度について紹介していきたいと思います!!    ※ 本メールは送信専用のアドレスとなっております。       ご意見、ご感想などは melmag@midac.jp にお送りください。 ===================================    <CONTENTS>    【T.デポジット制度とは?】    【U.諸外国の取り組み】    【V.日本の現状】    【W.日本国内での普及に向けて】    【X.まとめ】 ===================================    【T.デポジット制度とは?】    デポジット制度とは、再使用のための回収を目的として、    あらかじめ飲料水などの販売価格に容器代を上乗せしておき、    消費者が容器を捨てずに返却した場合にその容器代を返却する    というシステムです。    では、デポジット制度にはどのようなメリットがあるのでしょう?    其の一. 容器の回収率アップ!    容器を返却しないと預り金は戻ってきません。    そのためポイ捨てをする人が減り、不法投棄が減少します。    さらに、瓶が返却されなくても預り金を利用して    瓶を回収できます。    結果、路上のゴミを減らすことができます。    其の二. 資源節約・環境美化!    容器を返却し、リユース(再使用)をすることで、    資源節約となり、さらに今までゴミとなっていた    容器が減少し環境美化へと繋がっていきます。    ではこのデポジット制度を、諸外国がどのように    導入しているのか次の章で注目していきたいと思います!! ***********************************    【U.諸外国の取り組み】    ・ドイツ    ドイツでは、リユースを推進する様々な方法の    一つとしてデポジット制度があります。    飲料・洗剤・洗浄剤の容器については、    約40円のデポジットを上乗せすることを義務付け、    回収率は95%を超えています。    また、「飲料容器条例」では2000年までに、飲料容器の94%を    リターナブルにすることが定められました。    実際リターナブルとして回収されたPETボトルは、    約30回に渡って再使用されています。    ※リターナブル…一度使用した容器を回収及び洗浄をした後、            もう一度製品として再使用すること    ・スウェーデン    スウェーデンでは、使い捨てのPETボトルは    1991年から禁止され、ガラス瓶はメーカーが    再使用しやすいように、94%がリターナブルと    なっています。    (ちなみに使い捨て瓶には高い税がかけられています)    そして街角に回収BOXが設置されており、    その回収率は97%以上に達しています。    ・アメリカ(ニューヨーク州)    アメリカ(ニューヨーク州)では、    デポジット法が1982年に成立しました。    1本当たり5セント(約5円)のデポジット導入後、    1年で散乱ゴミは15%減少、埋め立てゴミも20万トン    減少したといわれています。    都心部には路上生活者が拾ってくる飲料容器を    買い取るセンターが設立されており、回収率は80%となっています。    ドイツ・スウェーデン・アメリカ(ニューヨーク州)の    導入事例を見ただけでも、デポジット制度が    浸透しているのが分かりますよね。    では次に、日本でデポジット制度がどのように導入されているか、    日本の現状として注目していきたいと思います。 ***********************************    【V.日本の現状】    現在、日本では全国規模でガラス瓶容器の    デポジット制度が確立されています。    ビール瓶の場合、1本返却すれば5円が戻ってきます。    さらに平均15回再使用され、リユース率に換算すると    99%以上に相当します。    その他に、お酒や醤油といった一升瓶などもあります。       そして今年度8月末から、環境省のPETボトルのリユースの    実証実験第一号(国内初)が、横浜市と柏市で始まっています。    商品は山梨県の某飲料メーカーによるミネラルウォーターを使用。    店は価格に含めていた預り金、10円を顧客に返却します。    回収した容器は専門業者が洗浄や衛生状態の検査をし、    メーカーに引き渡します。    メーカーはボトルに再びミネラルウォーターを詰め、    商品として販売します。    環境省は、リサイクルよりリユースの方が    環境負荷が小さいとみており、国内での可能性を検証しています。    こうして見てみると、日本は今まさにデポジット制度の普及に    向けて大きく動き始めたと言っても過言ではありません…が、    日本は諸外国と比べてどうでしょう?    見て分かるように現段階では、諸外国に    遅れをとっていますよね。    そこで、日本が諸外国に比べてデポジット制度が普及していない    課題点について、次の章で考えていきたいと思います。 ***********************************    【W.日本国内での普及に向けて】    日本が諸外国に比べて、デポジット制度が普及していない理由として    下記のような主に4点が挙げられます。       ・小売価格が高くなる影響で売れ行きにダメージ    ・容器や容器素材の需要減少になれば、メーカーに影響がある    ・回収の手間があり、保管場所の確保が難しい    ・販売者にとって払い戻しが手間になる    という訳で、デポジット制度は現在の日本において、    消費者・製造者・販売事業者に対して大きな負担を    強いる制度なのです。    しかしながら、デポジット制度導入によって得られる    メリットは前述の通り、地球環境に大きく関係しており、    意義あるものと考えられています。    そんなデポジット制度導入における課題を    自治体・消費者・事業者それぞれが公平に負担し、    協調して行動していくことが制度普及への    大きな足がかりになるのではないでしょうか。 ***********************************    【X.まとめ】    デポジット制度は購入の際に、「少し高いかな?」と    思うかもしれませんが、飲み終わった後に容器を返却すれば    上乗せした預り金は戻ってくるので損得なしです!    しかも、リユースをすることで「エコ」に繋がります!!    リサイクルは、一度製品を加工する為その時CO2が発生しますが、    それと比べてみますとリユースは再使用するので    リサイクルよりCO2排出量は少なくて済みます。    そして、「ポイ捨て使い捨て」が減少します!    やっぱりきれいな町の方が気持ちいいですよね!! ***********************************    ■□編集後記■□    今回のプチ☆みだコロジーいかがでしたでしょうか?    実はとても身近な「デポジット制度」について取りあげてみました。    様々な問題はありますが、デポジット制度がより日本に普及されれば    地球環境の保護・環境美化へと大きく前進できると思います。    デポジット制度が日本にどんな影響をもたらしてくれるのか…    今後の動きに注目していきましょう!!    次回は10月9日発行予定、みだコロジー「マニフェスト制度」についてです。           ♪♪ お楽しみに ♪♪    参考文献:日経産業新聞 8月26日        :「Pitaco」 デポジットとは http://www.pitaco.jp/toushi045.html .:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:**:.。.:**:*:.。.:**:.。.:**:.。.:***:.。.:*   ◆このメールマガジンの解除・配信先変更は、こちらまでお願いします。    ご意見、ご質問もお待ちしております!    (メールマガジン送信元アドレスには返信しないで下さい。)   ⇒ melmag@midac.jp   ◆バックナンバーはこちらからご覧ください。     ⇒ http://www.midac.co.jp/jp/mllist/ .:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:**:.。.:**:*:.。.:**:.。.:**:.。.:***:.。.:* <みだコロジー2008>     発行日:毎月第2木曜日 発行元:株式会社ミダック    <プチ☆みだコロジー>     発行日:毎月第4木曜日     発行元:株式会社ミダック    株式会社ミダック    静岡県浜松市東区有玉南町2163番地    TEL: 053-471-9361 FAX: 053-471-9373    URL: http://www.midac.co.jp/    ミダックグループは、水と大地と空気そして人、すべてが共に栄える    かけがえのない地球を次の世代に美しく渡すために、その前線を担う    環境創造集団としての社会的責任を自覚して、地球にやさしい廃棄物    処理を追及してまいります。   ※掲載された記事・情報を許可なく転載することは固く禁じますが、この    メールを職場の同僚やご友人に転送していただくことは大歓迎です! ――― Copyright(C)2006-2008 MIDAC CO.,LTD. All Right Reserved―――