━― mail magazine from MIDAC ―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   ☆  みだコロジー2007              ☆   ☆                          ☆   ☆     〜みんなの環で地球をキレイに〜      ☆                         ____/ ━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━   ≪ 8月号 【ダイオキシン対策とこれから】 ≫                          【2007年8月9日発行】   ==暑中お見舞い申し上げます==   毎日暑い日が続きますが、みなさま元気にお過ごしでしょうか?   産業廃棄物処理業者の私たちの中で、とても暑い(熱い)場所   それは・・              『焼却施設』   季節を問わず暑い場所ではあるけれど、夏場は特に暑く感じられます。   7月号のプチ☆みだコロジー「野焼きは禁止?!」でもふれましたが、   “ただ燃やす”だけでは有害物質の垂れ流し。   そこでこの暑い場所「焼却施設」では、   有害物質を発生させない・排出させないための努力をしています。   今回はそんな焼却施設から、ダイオキシン対策について考えてみました。   ※ 本メールは送信専用のアドレスとなっております。      ご意見、ご感想などは melmag@midac.jp にお送り下さい。 =========================================================  ☆ 今月のMENU ☆     T.  〜 「ダイオキシン」とは? 〜     U.  〜 焼却施設におけるダイオキシン対策 〜     V.  〜 ダイオキシン対策のこれから 〜   =========================================================     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\    ☆   T. 〜 「ダイオキシン」とは? 〜   ☆     \__________________/   まず初めに、現在一般的に使われている「ダイオキシン」とは   正確には「ダイオキシン類」と呼ぶべき化合物の総称で、   塩素の数や位置の違いを合わせると、なんと200種類以上あります! さてダイオキシンは一時期、野菜の汚染で注目されましたが   一体どのような危険性があるのでしょう?   毒性の有無・強さはダイオキシンの種類で違いがありますが、一般に     ●急性毒性     ●生体蓄積性     ●発ガン性     ●内分泌攪乱作用(催奇形性・・etc)   などが指摘されています。   ダイオキシンは炭素・水素・酸素・塩素が熱せられるような工程に   おいて発生しますが、ごみの焼却のほかに     ●金属精錬の燃焼過程     ●紙の塩素漂白過程     ●有機合成過程(農薬合成など)   からも発生します。   さらにはもっと身近なもの、タバコの煙や自動車の排ガスなんかにも   含まれています。   以下はダイオキシンが注目された平成9年度ダイオキシン類の排出量   の目録です。   <ダイオキシン類の排出量の目録 平成9年>   (大気への排出)    一般廃棄物焼却施設・・・5,000    産業廃棄物焼却施設・・・1,500    小型廃棄物焼却施設・・・368〜619    火葬場      ・・・2.1〜4.6    産業系発生源   ・・・463.4    たばこの煙    ・・・0.1〜0.2    自動車排出ガス  ・・・1.59   (水への排出)   ・・・12.8     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄     合計・・・7,348〜7,602 [g-TEQ/年]   廃棄物焼却施設からの排出量が全体の9割以上!   やはり焼却施設が一番の発生源だったんですね・・。 *----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*---     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\    ☆  U. 〜 焼却施設におけるダイオキシン対策 〜  ☆     \______________________/   平成12年にはダイオキシン類対策特別措置法が定められるなど、   ダイオキシンの対策が始まりました。   では、現在焼却施設ではどのようにしてダイオキシン類の大気への   排出を防いでいるのでしょうか??   「発生抑制」と「除去」の2点に分けてみてみます。   〜発生抑制〜    ◎3T条件    ごみの焼却時のダイオキシン類の発生は、    “安定した完全燃焼”によって抑制することができます。    それには「温度」「時間」「攪拌」が重要とされ、    英語の頭文字から「3T条件」と呼ばれます。    なお、ガイドラインでは燃焼温度850度以上・滞留時間2秒以上・    効果的なガスの攪拌を行い完全燃焼を達成するようにと定めています。    ◎急冷、低温化    燃焼時以外にもう一つ、ダイオキシンが発生する要因があります。    それは、デノボ合成とよばれ、冷却過程で起こります。    デノボ合成は300℃付近で最も発生しやすいと言われ、    燃焼後のガスを急冷および低温化する必要があります。   〜除去〜    ◎バグフィルター    バグフィルターでは、微細なばいじんを捕集することができ、    200℃以下であれば90%以上の除去率となります。    ◎活性炭・活性コークス    活性炭や活性コークスは、微量有害物質を吸着する能力があり、    バグフィルターと併せて使用することによる除去率は97〜98%に    なります。 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++   ここでちょっと、富士宮市にある焼却施設「ミダックふじの宮」の   実際の対策例をみてみましょう。   〜発生抑制〜    ◎3T条件     ☆燃焼温度の管理      コンピューターによる監視、炉内のカロリー調整によって燃焼温度を      850℃以上に維持します。     ☆ガス滞留時間      プラントの構造によって、850℃以上の状態で2秒以上の滞留を      実現しています。     ☆ガスの攪拌      コンピューター制御による空気流入量の管理で、効果的な      ガスの攪拌を行い、炉内の不完全燃焼を防ぎます。    ◎急冷、低温化    ☆ガスの急冷      燃焼後のガスは、ガス急冷室で一気に180℃まで冷やされ、      デノボ合成を防ぎます。   〜除去〜    ◎バグフィルター、活性炭・活性コークス     ☆排ガス中ダイオキシン類の除去      2基のバグフィルターを設置、さらにバグフィルター入り口への      活性炭吹込によってダイオキシン類を吸着除去します。    +++++++++++++++++++++++++++++++++++++   さて、このような対策の結果、ダイオキシンの排出量は   削減したのでしょうか??   ↓以下は環境省によるダイオキシン類の排出量の目録の抜粋です。↓               <H9年>     <H16年>    一般廃棄物焼却施設・・・5,000    →    64     産業廃棄物焼却施設・・・1,500    →    69    小型廃棄物焼却施設・・・368〜619   →   78〜97    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄      廃棄物焼却施設 計 6,868〜7119 →  211〜230 [g-TEQ/年]   平成9年に比べてなんと30分の1以下★★   なお、ミダックふじの宮の大気への排出量は 規制値0.1ng-TEQ/m3のところ、0.000027ng-TEQ/m3です★★   ミダックふじの宮をはじめとする全国の焼却施設では、   ダイオキシンの排出を削減する仕組みが確立されているんですね! *----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*--     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\    ☆ V.〜 ダイオキシン対策とこれから 〜   ☆     \_____________________/   ところで!!   以上のような排出抑制技術の進歩を背景に、塩化ビニルについて   新たな動きが出ています。   1990年代、塩素を含む塩化ビニルはダイオキシン発生原因になりうる   として注目され、製造メーカーは塩化ビニルの全廃を進めてきました。   しかし近年、   “塩ビ性樹脂サッシの断熱効果はアルミ製の3倍である”   という「省エネ性」や、「耐久性」「低コスト」といった面から、   塩化ビニルが見直されつつあります。   塩化ビニルはダイオキシンの危険性がある・・・   でも実は、省エネで長持ちな素材でもあるのです!   これを受けて製造側では、“塩化ビニルの全廃”から、    ●マテリアルリサイクルが可能    ●代わりになる素材がない   という場合は塩化ビニルを使用し、   “それ以外は脱塩ビ化をする”という方向に転換してきています。   そして、塩ビのマテリアルリサイクルが可能なように、    ●廃棄時に他の素材と分別しやすいように製造する(単一素材)    ●リサイクル技術の向上   などに力を入れています。   こうしてダイオキシン問題と対策をみてくると   製造者側:   「原因となる物質を使用しない」   「リサイクルの体制を構築して原因物質をごみとしない」   処理業者:   「適正に処理し、大気中に排出させない」   と、それぞれの立場で努力していることがわかります。   製造側も処理側もともに、環境により良い方法を模索しながら   安全で快適な未来を構築してゆくのですね★ ================================================================   みだコロジー8月号、いかがだったでしょうか?   みだコロジー作成者の中にも、焼却施設で働いている者がいます。   焼却の前処理場の気温は60℃以上(!?)になるとかならないとか・・   しかし!   それもこれも適正に処理するため!これからも精を出して、業務に励んで   ゆきます!   それではみなさまも、熱中症にはくれぐれも気をつけてください☆   ☆次回予告・・・選挙でも注目【マニフェスト】!! ================================================================ ―━― mail magagine from MIDAC ―━―━―━―━―━―━―━―━―━―  ┏━━━━━━━━━━━━━○     プチ☆みだコロジー  ☆━━━━━━━━━━━━━┛ ━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━―━   □■ 第2号 □■                       【 2007年8月23日発行分 】   みなさんこんにちは!   夏も中盤に差し掛かり、暑い毎日が続きますね。   体調管理にはくれぐれもお気をつけくださいませ☆   さて、先月のメールマガジン発行から何とか2回目を無事迎えることが   できました!!   そんな今回のテーマは・・・   「マニフェスト」についてです!   普段TVや紙面・雑誌などでなにかと見かける機会が多いマニフェスト。   私たちが、職業上触れる機会が多々あるマニフェストと関係あるの?   その実態について解りやすく有益な情報として提供していきたいと   思います。   それではご覧ください! =========================================================================          〜マニフェストって何?? 〜 =========================================================================   みなさんマニフェストというと最初に何を想像しますか???   私は今の業界に携わる前までは、国会中継や選挙などでよく耳にした事と   記憶しています。              しかしっ!!!   実は、私たちが携わる廃棄物の業界でも同じように「マニフェスト」   という言葉は存在するのです! *----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*   私たちが携わる廃棄物業界でいう「マニフェスト」とは                  ・                  ・                  ・   排出事業者が産業廃棄物の処理を委託するときに、業者から業者へ、産業   廃棄物とともに移動していく、「伝票」の事を言います。   この伝票には産業廃棄物の種類、運搬業者名、処分業者名などを記入します! *----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*   それではさっそくそのマニフェストの概要について説明していきます♪   ご存知でしたか?マニフェストって実は7枚そろって一式なんです!     (A, B1, B2, C1, C2, D, E ・・・計7枚☆)   では、その7枚は一体どのように使用されるのでしょうか?   マニフェストの使用フローを覗いてみましょう!   まずは廃棄物が発生したところからスタート☆   ・廃棄物を出した業者 (排出事業者) はマニフェストに必要事項を記入し、    廃棄物とともに【7枚全部】を収集運搬業者に渡します。               │             ▼回収中▼ ヨイショヨイショ…               ↓   ・収集運搬業者は、廃棄物を回収した後、マニフェスト【A標】を排出業者    に渡します。               |             ▼運搬中▼===333 ブーン               ↓   ・収集運搬業者は廃棄物の運搬を終了した後、残り【6枚】のマニフェスト    を処理業者に渡します。   ・処理業者はマニフェストの【B1標】 【B2標】を収集運搬業者に返します。   ・収集運搬業者は【B1標】を控えとして保存し、【B2標】を排出事業者に    送付します。               |             ▼処理中▼ モヤシタリ、コマカクシタリ…               ↓   ・処理業者は、廃棄物の処分終了後、    【C1標】を控えとして保管し、【C2標】を収集運搬業者に、    【D標】を排出事業者に送付します。               |            ▼最終処分中▼ ウメタテタリ…               ↓   ・廃棄物の最終処分まで終わったのを確認したら、処理業者は最後の    マニフェストの【E標】を排出事業者に送付します。               ↓             ○●完了●○   最終的には各業者がこのような形で保管することになります!    ◆排出業者 ( A票,B2票,D票,E票 )    ◆運搬業者 ( B1票,C2票 )    ◆処理業者 ( C1票 )   (文章だとややこしい・・・という方はこちらを御覧ください☆    → http://www.shokusan.or.jp/manifest/main/nagare/index.html   このように、廃棄物を1度回収するだけでも、   7枚ものマニフェストが必要なんですね☆ *----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*----*   それでは次に、こうした「マニフェスト」を管理していくことでどのような   メリットが生まれてくるのでしょうか???   考えていきましょう!!   ★☆最大の特徴=実際の処理の流れの確認☆★    A票&B2票・・・収集運搬の確認    D票・・・・・・中間処理の確認    E票・・・・・・最終処分の確認   このように排出事業者はそれぞれのマニフェストを受け取ることで、   自分の出した廃棄物が適正に処理されたか確認することができるんですね♪    ・・・ちなみに・・・   ※委託処理する産業廃棄物はマニフェストで管理することが    法律で義務づけられているんです!    →詳しくはこちら http://www.shokusan.or.jp/manifest/main/gimu.html      『マニフェストを用いて廃棄物の処理を管理していく。』    そうすることで不法投棄などを未然に防ぎ、また適正な処理をすることが    環境への負荷を軽減することに繋がるんです!!! =====================================================================   □■編集後記■□   先日産業廃棄物の処理に関する研修会に参加してきました☆   会場にはたくさんの人が来ていて、産業廃棄物を適正に処理することへの   関心が非常に高まってきているんだなぁと改めて感じました。   もちろん今回のテーマである【マニフェスト】についてもバッチリ取り上げ   られていましたよ♪   入社して4ヶ月☆★私もマニフェストを発行できるようになりました。   「誤って発行すると法律違反にもなりかねない!!」   そう考えると最初は1枚発行するのにもビクビクして、何十回も確認して   たことも・・・   もちろんその緊張感は常に忘れてはいけないなと今回再確認致しました!   私たちもマニフェストに込められた環境保護への思いを胸に、日々頑張って   いきたいと思います!!         ♪♪♪次回もどうぞお楽しみに♪♪♪ =====================================================================  ◆ミダックは、水と大地と空気そして人、すべてが共に栄えるかけがえの   ない地球を次の世代に美しく渡すために、その前線を担う環境創造集団   としての社会的責任を自覚して、地球にやさしい廃棄物処理を追及して   まいります。   株式会社ミダック   静岡県浜松市有玉南町2163番地   TEL:053-471-9361  FAX:053-471-9373   http://www.midac.co.jp/ :*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:.  ◆このメールマガジンの解除・配信先変更は、こちらまでお願いします。  ◆ご意見、ご質問もお待ちしております! ⇒ melmag@midac.jp   メールマガジン送信元アドレスには返信しないで下さい。 :*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:*:.。.:**:.。.:*:.